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社長のコラム 「しゃコラ」

God Save The Queen

2022-09-20
2022年9月8日、突然の訃報が世界中を駆け巡った。世界各国との友好と英国民との融和を願いつつ、激動の時代を生き抜いてきたエリザベス女王が96歳で亡くなったのだ。英国国内はもちろん世界中から追悼の言葉が寄せられ、9月19日、格式高い国葬が執り行われた。

これほど世界中で愛された女王がいただろうか。強い責任感と笑顔で国をまとめ、窮地に陥った王室を何度も救ったエリザベス女王。ニッポンの皇室とも縁が深く、重ね合わせる人も多いと思う。
英国並びに英連邦の精神的な支柱でもあり、21世紀になってもなお「大英帝国」の栄光の残影を一身に背負い、世界各国に対し、飛びぬけて大きな影響力を持ち続けた偉大な女王だ。だがその信頼感、尊敬心を得るために、いくつもの英王室の危機を乗り越えなければならなかった・・・。

女王のネックを挙げるとしたらファミリーの部分かもしれない。それは子供達を筆頭に王室の私生活の問題。特に90年代以降は、当時のチャールズ皇太子とダイアナ元妃の離婚問題など、王室の相次ぐスキャンダルに見舞われ、悩まされることが多かった。そして、ダイアナ元妃のあの突然の事故死により英国中が騒然となる中、それに伴う批判に頭を抱えながらも、毅然とした態度を崩さず、持ち前のユーモアで人々を魅了してきたエリザベス女王。
しかし女王自身はスキャンダルとは無縁で公務を粛々とこなしているイメージ。それがゆえに品行方正を貫く女王の魅力が際立って、国民から支持され続けたのかもしれない。

だが、1人の人間として、女性として、そして一国の女王として、様々な感情をコントロールしなければならなかったその姿は、ときに世界で一番孤独な存在と言えるのではないだろうか。王室の歴史と移りゆく時代の間に挟まれたエリザベス女王の知られざる苦悩。君主として直面する苦難と、揺らぐ家族関係に葛藤する日々。ニュースからは伝わってこない本当のエリザベス女王の姿を想像すればするほど、どこか切なくなる。道しるべを失ったイギリス王室の今後が心配になるほど、ひとつの時代の終焉を感じる。

国民なくして王室もあり得ない。歴史上の記録だけでなく、国民の心にもしっかりとその姿を刻んだエリザベス女王。生涯現役を貫き、「理想のおばあちゃま」として世界中から愛された女王は、これからも人々の記憶に残り続けることだろう。70年という英国史上最長の在位期間を誇ったエリザベス女王の、波瀾万丈の人生とチャーミングな笑顔の魅力は、まさに「人生100年時代」のお手本といえる。皇室としてやれることは限られているけど、英国クィーンとしての尊厳を持ち続けながら一生懸命、その役割に取り組んだ人生に拍手。心よりご冥福をお祈りいたします。


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