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社長のコラム 「しゃコラ」

9.11~不都合な歴史~

2021-09-21
2001年9月11日の米国中枢部を狙った同時多発テロから今年でちょうど20年。20年といえば、その年に生まれた子供は今二十歳になってるわけで、結構長い歳月だ。でも、私の中では、いまだに生々しい衝撃をもって思い出される。

とりわけ残酷でショッキングだったのが世界貿易センタービルへの、まさに捨て身の攻撃。敵国(米国)の旅客機をハイジャックして、戦闘機代わり爆弾代わりにして突っ込んで自爆するなんて、いったい誰が予想できただろう。宗教とか信仰とかいうものに関心の薄い私は、ただただ驚き怯えるばかりだった。

9.11は米国の内政、外交、社会などに大きな影響を与え、米国の21世紀を形成したといえる。その後、米国は9.11を境に国の威信をかけ、膨大な戦費を費やし、多くの米兵を犠牲にしたテロとの戦争に突入。

しかし、米国の描いた思惑は見事に外れた…。

くしくも、8月末、米国がアフガニスタンから完全撤退し、米史上最も長い戦争が終わったばかり。しかも、9.11の実行犯である国際テロ組織アルカイダと協力関係にあった武装勢力タリバンが、再びアフガニスタンの権力を掌握し、時計の針は、9.11前に戻ってしまった。

今、9.11の「風化」が懸念される中、米国では学校の授業などで、9.11に関する教育の実情はどうなっているのだろう。イスラム教徒に対するヘイトなど今日の複雑な問題につながるため、20年経っても教えることが難しいのは理解できる。

9.11を体験する大人たちはイラク戦争やアフガニスタン戦争をなかなか否定できない。テロとの戦いのための派兵は米国として当然だったと考えているからだ。一方で若者たちには、アフガニスタン戦争と9.11がつながらない。だから9.11は終わってなくて、今とつながっていることを教える教育は大切なはずだ。

でも、まだ結果が出ていない歴史を伝えることは難しいかもしれない…。

このことは、太平洋戦争をはっきり答えられないニッポン人と一緒。こうした米国の現状はニッポンの戦後の歴史教育とも重なっている。太平洋戦争が起こった原因や背景を、はっきり答えられるニッポン人がどれだけいるだろうか。

どんな国でも不都合な歴史を隠して成り立っている。9.11は米国の物語として解釈されるのを拒んでいるかのようで、共有するのが難しい不都合な歴史だ。しかし、この不都合な歴史を理解せずにいることは、さらなる大きな危機に目をつぶることになりはしないだろうか…。このままでは歴史の過ちを再び繰り返してしまうのではないかという懸念も生まれてくる。

20年経っても依然わからないことが多い9.11という歴史。だが、あの日の衝撃が今も米国を束縛し続けているということだけは間違いない…。



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