すぅぅぅーー、そう！これがハワイの空気だ。海の塩気を含んだ柔らかな風が心地よい。

眩しい太陽の下、ヤシの木が左右に揺れている。行き交う人もみんな楽しそう。カラカウア通りを歩くとハワイに来たことを実感する。ここにいる人は、みんな笑っている。みんな歌っている。
美しい大自然、ゆったりと流れる時間、豊かな食文化など、魅力がいっぱいのハワイ。ふる里のように温かく迎えてくれる癒しの楽園。いつもそこに帰りたくなる場所。ハワイは私たちを魅了してやまない。

コロナ過も明け、ふたたび自由に世界を旅することが叶うようになった今、久しぶりに年末から憧れの楽園を訪れた。今年は、友人家族に会うためとクカニロコ・バースストーン(Kukaniloko Birth Stones)へ御礼に行くことだった。

コロナ前の2017年、私たち夫婦は、子供を授かりたい一心で子宝祈願や安産祈願のパワースポットとして人気のクカニロコ・バースストーンを訪れた。すると、すぐに娘を授かったので純粋にお礼の意味で娘を連れて行く予定にしていた。

ところが出発前、そのバースストーンが立ち入り禁止になっていることを知ってびっくり。ここはそもそも観光名所ではなくハワイ王族の生誕地であった聖地であり、保護されている場所らしいのだ。

それが最近のパワースポットだかのブームで観光客が多く訪れ、ときには大型観光バスまでが路肩に駐車する事態になり、心ない観光客が聖地を荒らしてしまったからさぁ大変。神聖な石に触ったり、腰かけたり、落書きしたり、大声で騒いだり…。立ち入り禁止に至るまで色々な対策がとられたらしいけど、残念ながらまったく効果がなかったようだ。そのためハワイ州では州の歴史文化財に指定されているクカニロコ･バースストーンの環境保護のため、立ち入り禁止の処置をとることになったという訳。

故意に悪いことをする人もいれば、悪意なく禁止行為をしてしまった人もいるかもしれない。いずれにしても、観光地にしたい場所ではないので、封鎖という処置に至ったのだろう。自分の家の敷地内で他人に好き勝手やられたら、中に入れなくするのは当然のこと。クカニロコはハワイアンの心のよりどころであって単なる観光客が訪れる場所ではなく、子宝祈願や安産祈願で気軽に行く観光名所でもない。浅草の浅草寺や京都の清水寺とは違うのだ。

そんなことも知らず訪れて申し訳ございませんでしたーーーー！汗

ハワイにはパワースポットと呼ばれる聖地がたくさんある。ハワイを深く愛する人だけがたどり着く聖地。
どうかハワイの神々に対して十分な敬意を払い、厳粛な気持ちで訪れてください。聖地からその向こう側のハワイの形を想像することも大切。観光客は所詮〝よそ者〟。けっして興味本位では入らないようにご忠告申し上げます。

でも、仮にですよ。仮にそんな〝よそ者〟の私たち夫婦が娘を連れて「ただいま〜！」と訪れたとしたら、聖地バースストーンはどう応えてくれるだろう…⁈

私はきっと「アロハ～！」と応えてくれると思います。

何故ならそれがハワイだから…。