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社長のコラム 「しゃコラ」

シャッター通りに物申す

2018-01-24
商店街のシャッター通り化と、大型商業施設の郊外への出店。このふたつは今の地方都市では、おなじみの風景といえる。
 
こんなこと書くとお叱りをうけるかもしれないが、いわゆる商店街が衰退した原因は「大型店に客を奪われた」からではなく、自治体と商店街側にあるのではないか。
様々なテーマで町おこしに取り組んだり、メディアなどに取り上げられて「成功した」と当事者が自慢するにもかかわらず、商店街が閑散としているケースが全国的にいかに多いか・・・。
 
地元の商店街で消費せずに現状を直視出来ない公務員も多いし、既得権益を守り助成金に頼る一部の商店主から出てくるのは、どこかの成功例を表面的になぞるようなプランばかりだ。
 
確かに、イベントをすればある程度人は集まる。だが、商店街を再生させるには、イベントでいちげん客を呼ぶのではなく、いかにリピート客を獲得するかが重要なのだ。もちろん、そんなことはみんなわかっている。でも、これがなかなかどうして難しいのだ。だから安易なイベントに頼ってしまう現実。
 
下手な町おこしは、自らの「死期」を早めるかもしれない。これまでの商店街再生事業が成功しなかったのは、「商店街のため」という視点しかなかったから・・・。商店街を再生させるためには、顧客目線に立ち、「私益より公益・交流」を大切にすべきで、地元住民がコミュニケーションする場所として機能できれば、生き延びられるかもしれない。
しかし、それもなかなか難しくなっている。かつては普通だった風景を、いま取り戻すということが何よりも困難な時代だけに・・・。
 
結局、"点"の開発ではなく"面"での開発が重要で、思い切って都市計画をやり直し、もう一度街を作り直すくらいの覚悟がなければ無理だろう。将来の街づくりを見据えた事業として取り組むことができれば、多くの市民の共感を得ることもできるはずだ。
 
次世代にどうやっていい状態で街を継承していくのか。行政に頼るだけでなく持続的に維持できる仕組みを今こそ真剣に考えなければいけない。若くて優れた人材を育む場、働く場、暮らす場としての魅力を高めていけるような商店街であってほしいと願う。
 
だが、最近の若者と話をすると、若者たちにとっての「地元」には、もはや既存の商店街が含まれていないことがよく分かる。彼らにとっては「ほどほどの楽しみ」を与えてくれる大型商業施設こそが地元なのだ。
 
いったいどうすれば、このギャップを埋めることができるのだろう・・・。


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