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社長のコラム 「しゃコラ」

食卓の誤解

2022-05-24
長引くコロナ禍によって自宅での食事が増え、毎日の食事を作るのに追われて「料理疲れ」に陥っている奥様方も多いのではないだろうか。食の乱れはカラダの乱れ。あらゆる不調の原因にもなる。いつの時代も食べ物を制する者が健康を制するのだ。

さて、極私的なことで恐縮だが、夕食に出来合いのおかずが出ると、必ずと言っていいほど妻に「これ、うちで作ったものじゃないでしょ」と指摘する。乳幼児期の刷り込みがよほど強烈だったのか、それとも妻の手料理をよほど食べたいのか。いずれにしても、なんとも身の程知らずの亭主である。

つまり、『食』がメッセージを発するとき、必要なコストが高ければ高いほどメッセージは強くなる。準備が大変なほど、料理は強烈なメッセージを発する。出来合いのおかずに「手間ひまオーラ」が漂っていないのを、どうしても感じてしまうのだ。

しかし、日々子育てに奮闘しながら家事全般をこなす妻を見ていると、家族が一緒に過ごす「おうち時間」が増えた今、毎日の食事が楽しい団らんの時間であるためにも、改めてその負担について考えてみることは大切かもしれない。

実は「料理」には調理するだけではなく、メニューを決めて食材の買い物、出来立てアツアツが楽しめるように調理、食べ終えたら洗い物など後片付け、さらに日々の冷蔵庫の中身の管理…と、何かと「見えない家事」がつきものだが、その苦労は作り手以外にはピンとこないもの。

そう思うと、いつもこんな風にして妻は作ってくれてるんだなって、毎日料理をする人の本当の大変さに気づかされた。料理をしない私のような人はこの手間が実感できていない。料理にかかる本当の手間は可視化されにくく、理解されにくいのだ。この料理の本当の大変さへの理解の深度の差が、「食卓の誤解」につながっていると思う。私のような勘違い亭主はまさにこれ。なんでこんな簡単なことに今まで気づかなかったんだろう。

「あ~、今日はなんか疲れたわーーー!」

そんな日に頼りがちなスーパーのお惣菜。気になる野菜不足やボリュームは、ちょい足しアレンジで見た目華やか&食べごたえ満点の見違える一品に。買ってきたお惣菜が罪悪感も吹き飛ぶアイデアレシピで大変身ってことも。

家族のために一生懸命ご飯を用意する。台所に立っている時点で手抜きということではないのかもしれない。

「誤解のないように言っておきますけど、手抜きじゃなくて、手間抜きーー!」と、ドヤ顔の妻。

なるほど、うまいこと言うなぁ~。
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