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社長のコラム 「しゃコラ」

母が生きた意味

2020-05-11
前日まで元気だった母が突然脳梗塞で倒れる。実家へ立ち寄った姉が発見し、救急車を呼び集中治療室へ。姉から連絡をもらった私は、急いで妻と病院へ駆けつけた。
それから3週間経ったある日、母は私と姉に見守られ静かに旅だった…。

〝 肉親を見送る 〟

ちゃんと考えもしなかったことが突然目の前の光景として突きつけられた。
最愛の人を亡くした時、人は何を思い、その後をどう生きていけばいいのか。私たちは常にそのことを問われ続けている気がする。
あの日から3年が経ち、私自身やっと客観的に当時を振り返ることが出来るようになった。

誰だって、遅かれ早かれ家族との死別を経験する。別れは例外なく人の心に深い感情をかきたてる。しかし、人それぞれ、家族との関わり方が千差万別であるように、その想いも人それぞれ。

遺品を片付けながら母の歩んできた人生を後追いする。その人生をたどることで、それまでの幸せだった様々な日常の出来事が、母の遺品や忘れ難い記憶とともによみがえる。それはあたかも、人の死をいずれ避けがたい普遍的なものとして、母の死を受け入れようと自らに言い聞かせた私自身の心の軌跡とも読み取れる。

身近な日常には記録にも記憶にも残らない死が数知れずある。が、それぞれの死の背後にはその死と同じだけの物語があるはずだ。母の遺品を整理するにつけ、語られることのない、母の物語に思いをめぐらさずにはいられない。

残念ながら、母の日でもあった昨日、予定していた法要をコロナウイルスの件もあり、家族で相談して取りやめとした。

改めて思うに、母は息を引き取る間際、最期にいったい何を思ったのか…。
端的に言えば、「幸せな人生だった」と、思ってくれたのだろうか…。
そのことが私の脳裏から今も離れない。

私はこれから、自分が幸せに生きることで母が生きた意味を見いだそうと思う。
そうすることで見えてくるものがきっとあるはずだ。
     母の描いた絵手紙
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